長年使っていたEOS Kiss X5から、中古のOM-D E-M1 MarkⅡに買い替えた。きっかけはモータースポーツ撮影にもっと本気で取り組みたいと思ったから。エントリー機のAFでは動く車をなかなか捉えきれず、悔しい思いを何度もしてきた。
実際に使ってみると、良かった点と気になった点がはっきり分かれる結果になった。モータースポーツ撮影では確かに大きな進化を感じたけれど、日常使いとなると話は別で、正直デメリットも目立つ。今回はそのあたりを包み隠さず書いていく。先に言っておくと、これは「万能なカメラ」というレビューではない。得意な場面とそうでない場面がはっきりしたカメラ、というのが率直な印象だ。
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結論|モータースポーツ撮影なら買い替えて正解、日常使いにはやや大きい

まず総合評価から書くと、望遠撮影・AF性能・動体撮影の面ではEOS Kiss X5から驚くほど進化した。一方でサイズや重量、高感度性能、トリミング耐性については不満が残る。
つまりこのカメラは「何を撮るか」によって評価が大きく変わるタイプだと感じている。モータースポーツをメインに撮っていく人にとっては、満足度がかなり高い一台になるはず。逆に日常のスナップ用途を主軸に考えているなら、少し立ち止まって検討したほうがいいかもしれない。
モータースポーツの撮影では大満足

35mm換算600mmを手持ち撮影できるのが強い
E-M1 MarkⅡにLUMIX G VARIO 100-300mmを組み合わせると、35mm判換算で600mm相当という超望遠域まで撮影できる。マイクロフォーサーズならではの焦点距離換算の恩恵をここまで実感したのは初めてだ。
サーキットで遠くを走っている車両でも、画面いっぱいに大きく捉えられるのは単純に楽しい。しかもこれを三脚なしで手持ち撮影できてしまうのが大きなメリット。重い望遠レンズを担いで三脚を立てる手間がないぶん、撮影ポジションを自由に変えられるのがありがたい。
EOS Kiss X5からAF性能が大幅に向上
以前使っていたEOS Kiss X5と比べると、AF性能の差は歴然としている。まずAF速度そのものが段違いに速い。ピントが合うまでのタイムラグがほとんど気にならなくなった。
さらに大きいのが、動いている車両に対する追従性の高さ。以前は速い被写体に対してピントが迷ってしまい、シャッターを切ったのに後ピン・前ピンになっていることが多かった。E-M1 MarkⅡに変えてからはそうした失敗がぐっと減り、撮影時の安心感が全く違う。
写真の歩留まりが圧倒的に良くなった
ここで強調したいのは、単に「撮れる枚数」が増えたという話ではないということ。大事なのは「使える写真の割合」、つまり歩留まりが良くなったことだ。
モータースポーツ撮影ではAF性能がそのまま撮影結果に直結する。どれだけシャッターを切っても、ピントが合っていなければ意味がない。E-M1 MarkⅡはそのAF性能に加えて、600mm相当を手持ちできるという機動力も兼ね備えている。この組み合わせが、モータースポーツ撮影における満足度を大きく押し上げてくれた。
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日常で使えるほどコンパクトではない

ボディは意外と重量感がある
マイクロフォーサーズと聞くと「小型・軽量」というイメージを持つ人は多いと思う。自分もそう思っていた一人だった。ただE-M1 MarkⅡを実際に手にしてみると、そのイメージとはちょっとギャップがある。
フラッグシップ機らしく、ボディはしっかりとした作りで重量感もある。撮影中の安定感という意味ではプラスに働くのだけれど、日常的に気軽に持ち歩くカメラかと言われると、正直そこまで軽い存在ではない。
望遠レンズを装着するとサイズも大きくなる
E-M1 MarkⅡに100-300mmを装着すると、日常的に携帯するにはさすがに大きすぎるサイズになる。これはモータースポーツ撮影用と割り切って使うレンズだ。
では14-150mmのような標準〜中望遠ズームならどうかというと、これも日常的に持ち歩くにはやや大きい部類に入る。かといって、携帯しやすいサイズまで小型のレンズを選ぶと、今度はズームレンジがiPhoneのカメラよりも狭くなってしまうという悩ましさがある。
「マイクロフォーサーズだからコンパクトなはず」という期待は、レンズ次第で簡単に崩れてしまう。日常のスナップを気軽に撮りたいだけなら、正直スマートフォンのほうが圧倒的にラクだと感じる場面が多い。
コンパクトさを求めるならOM-3やE-M10シリーズも候補
小型・軽量を最優先するなら、OM-3やOM-D E-M10シリーズのほうが向いていると思う。ボディサイズがコンパクトなぶん、日常的な持ち運びのストレスはかなり減るはず。
OM SYSTEM OM-3
OM SYSTEM OM-D E-M10 MarkⅣ
ただしボディが小さくなれば、グリップの握りやすさなど操作性は変わってくる。長時間の撮影や望遠レンズとの組み合わせでは、そのあたりのトレードオフも考える必要がある。自分の場合はモータースポーツ撮影を最優先に考えていたので、多少大きくても高い操作性とAF性能を備えたE-M1 MarkⅡを選んだのは正解だったと感じている。
マイクロフォーサーズのデメリットはしっかり感じる

高感度撮影ではノイズが気になる
ISOオートで撮影していると、条件によってはノイズが目立つケースがある。明るい屋外のサーキットであれば大きく問題になることは少ないのだけれど、曇りの日や夕方の時間帯になると事情が変わってくる。
動体撮影ではシャッタースピードを確保する必要があるため、光量が足りない場面ではどうしてもISO感度が上がってしまう。そうなるとマイクロフォーサーズのセンサーサイズによる弱点がはっきり出てくる印象だ。
今のところはISOオートを中心に撮影しているけれど、今後はカメラのクセをもう少し把握したうえで、マニュアル撮影も試してみたいと考えている。
トリミング耐性はEOS Kiss X5より低く感じる
実際に使ってみて意外だったのがこの点。EOS Kiss X5では大胆にトリミングしても、意外と写真の見栄えが保たれることが多かった。
ところがE-M1 MarkⅡの場合、大きくトリミングすると写真の立体感が失われやすいと感じる場面が何度かあった。せっかく600mm相当の望遠が使えるのだから、トリミングに頼るのではなく、撮影の時点でできるだけ被写体を大きく写すことを意識したほうが良さそうだ。トリミングはあくまで軽めの微調整に留めるのが、このカメラとの付き合い方として基本になりそうだと感じている。
スマホカメラとの性能差は見極める必要あり

望遠撮影では専用カメラのメリットが大きい
モータースポーツのような遠距離からの撮影では、スマートフォンとの差は誰の目にも明らかだ。600mm相当という光学的な望遠を使えることは、デジタルズームが主体のスマートフォンとは根本的に異なるアドバンテージになる。
加えてAF性能や連写性能でも、動体撮影においては専用カメラのほうが圧倒的に有利。この分野に関しては、まだしばらくスマートフォンが追いつくことはないだろうと感じている。
日常撮影ではスマートフォンの利便性が圧倒的
一方で日常の撮影シーンに目を向けると、話は逆転する。スマートフォンは常にポケットやカバンの中にあり、思い立った瞬間にすぐ撮影できる。撮った写真をその場で編集して、SNSに共有するところまで一台で完結してしまう手軽さも大きい。
小型・軽量という観点でも、スマートフォンの利便性には敵わない。E-M1 MarkⅡを「普段使いのカメラ」として位置づけようとすると、どうしてもサイズと重量がネックになってくる。
マイクロフォーサーズとスマホの実力差を今後比較したい
「専用カメラだから必ずスマートフォンより高画質」とは、実はそう単純に言い切れないというのが率直な感想だ。撮影シーンによって、それぞれの強みは大きく変わってくる。
日常のちょっとした写真はスマートフォン、スポーツや望遠が必要な場面ではE-M1 MarkⅡという使い分けが、自分にとっては現実的な落としどころになりそうだと感じている。この点については、今後実際の写真を並べて比較検証してみたいと思っているので、機会があればまた記事にしたい。
まとめ|E-M1 MarkⅡは「モータースポーツ特化」と考えると満足度が高い
E-M1 MarkⅡの一番の魅力は、やはり望遠撮影と動体AFの実力にある。EOS Kiss X5から買い替えたことで、写真の歩留まりは目に見えて改善した。
ただしボディに望遠レンズを組み合わせた状態は、日常使いにおいて決してコンパクトとは言えない。高感度撮影時のノイズや、トリミング耐性の低さも正直なところ弱点として感じている。
このカメラは「小さなカメラが欲しい」という人向けではなく、「小型なシステムでモータースポーツをしっかり撮りたい」という人にこそ向いていると思う。今後はスマートフォンとの実写比較も行いながら、E-M1 MarkⅡが日常撮影にどこまで使えるカメラなのか、引き続き検証していきたい。

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