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PENTAX K-30 黒死病(絞り調整不良)修理|どの方法が一番良い?

リペア&カスタム
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ジャンク品のPENTAX K-30を9500円で購入した。いわゆる「黒死病」という症状がでている個体だ。黒死病とは絞りがうまく制御されず、やけに暗くなったりする症状のことだ。

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調べてみると、ネットには修理方法がいくつも出てくる。磁石で消磁する、ソレノイドを丸ごと替える、ハンダを盛る、金具を削る。どれが自分のカメラに合うのか、最初はさっぱり分からなかった。

そこで、実際に一つずつ検討して、試せるものは試してみた。結果として、最終的にU字金具(プランジャ)をヤスリで削る方法で症状が改善した。この記事では、試した方法とその結果、そして修理の手順をまとめておく。

なお、カメラの分解や加工は完全に自己責任。失敗すれば元に戻せなくなることもあるので、そこは覚悟したうえで読み進めてほしい。

結論|U字金具(プランジャ)を削り加工して修理した

先に結論を書いておく。今回採用したのは、ソレノイドのU字金具をヤスリで削る方法だ。

狙いはシンプルで、U字金具がコイル側に引き込まれたときに、ぴたっと固着してしまうのを防ぐこと。この固着が、絞りの制御を狂わせる原因の一つだと考えられている。

加工したあと、いったん仮組みして撮影してみた。すると、ちゃんと正常な露出で写った。これには思わず声が出た。

ただし、ここで手放しに喜べないのが正直なところ。再発しないと保証できる段階ではなく、しばらくは経過観察が必要だと思っている。その理由は後半で詳しく書く。

ネットで紹介されているPENTAX K-30黒死病の修理方法

まず、ネットでよく見かける方法を一覧にしてみた。自分が試した結果もあわせて載せている。

修理方法分解難易度メリットデメリット今回の結果
外側から消磁不要★☆☆分解不要で手軽。まず試せる効果が出ない個体もある効果なし
U字金具を消磁必要★★☆原因とされるU字金具に直接対処できるそもそも磁化が原因とは限らない原因とは判断できず
ソレノイドを交換必要★★★正常品に交換できれば根本的な対策になる可能性正常なソレノイドの入手が難しい今回は断念
U字金具にハンダを盛る必要★★☆失敗しても削って戻せる。実例が多い盛る量の調整がシビア今回は採用せず
U字金具をヤスリで削る必要★★☆少しずつ加工でき、固着具合を調整しやすい削り過ぎに注意が必要症状改善

ここからは、それぞれの方法について、自分がどう考えて、どうなったかを順に書いていく。

外側から消磁する

分解せずにできるので、一番手軽な方法だ。やり方としては、ネオジウム磁石を何個か連結して、絞り機構の真横あたりで回転させながら消磁していく。

▼ 必要な工具

「ダメ元でもまずはこれ」という気持ちで、自分のK-30でも最初にやってみた。結論から言うと、症状に改善はみられなかった。

もちろん、これで直ったという人もいるはず。ただ、うちの個体には効かなかった。分解が怖い人は、とりあえず試してみる価値はあると思う。

U字金具(プランジャ)を消磁する

こちらはカメラを分解して、ソレノイドからU字金具を外し、直接消磁する方法だ。原因とされる部品に直接アプローチできるのが強み。

▼ 必要な工具

実際に取り外して確認してみたところ、このU字金具が別の金属にくっつくような状態ではなかった。つまり、金具そのものが強く磁化しているとは言いにくい状態だった。自分の個体では、磁化が原因だと判断できなかった。

ただ、おもしろい発見もあった。U字金具をコイル側に差し込むと、磁力でスッと引き込まれて「カチッ」と固着したのだ。この状態になると、簡単には外れない。

黒死病では、この固着が絞り制御に悪さをしていると考えられているようだ。

正常なソレノイドに交換する

ソレノイド自体を正常品に替えてしまう方法だ。理屈のうえでは、一番すっきりした解決策に見える。

入手ルートは大きく二つ。通販でソレノイド単体を買うか、フィルムカメラから摘出するかだ。樹脂部分の色で正常品と不具合品を見分けられる、という情報も出回っている。ただ、通販では正常品らしきものがなかなか見つからなかった。

そこで、リサイクルショップでPENTAX MZ/Zシリーズのドナー機を探すことにした。

近所の店で、ジャンク品を2台見つけた。しかし、どちらも一度分解された形跡がある。しかも1,100円。中のソレノイドが無事かどうかも分からない状態で、このリスクに1,100円は高いと感じて、購入は見送った。

U字金具の凹みにハンダを盛る

U字金具の凹んだ部分にハンダを盛って、コイル側へ引き込まれる量を制限するやり方だ。実例がかなり多く、盛り過ぎた場合もはんだを削って調整し直せるのも安心材料になる。

▼ 必要な工具

ただ、盛る量がかなりシビアだとも聞く。盛り過ぎて露出オーバーになった例もあるらしい。ミリ以下の世界で高さを合わせる自信がなかったので、今回はこの方法を採らなかった。

U字金具をヤスリで削る【今回採用】

最終的に選んだのが、これ。U字金具の先端2か所を削って、コイル側との密着を弱める方法だ。イメージとしては、先端に十字状の溝を入れる感じだ。

▼ 必要な工具

まず加工前に、U字金具を外すのにどれくらいの力が要るのかを確認しておいた。基準がないと、どこまで削ればいいのか分からなくなるからだ。

あとは、少し削っては組み込み、固着具合を見る。これをひたすら繰り返した。最終的には、弱い力でスッと外せるくらいまで加工した。

その状態で仮組みして撮影すると、露出が正常に戻っていた。削るだけなので特別な材料も要らず、少しずつ調整できるのが気に入っている。

PENTAX K-30の分解手順|黒死病の修理方法

ここからは、実際の分解と修理の流れを書いていく。繰り返しになるが、自己責任でお願いしたい。

グリップ部のラバーを2か所剥がす

最初は、グリップ部のラバーを剥がす作業。左右のラバー部品は、両面テープで固定されている。

ここで活躍するのが、角が丸いスクレーパーだ。傷がつきにくいので、本体にもラバーにも優しい。逆にマイナスドライバーは、ボディやラバーを傷める可能性があるので避けたほうがいい。

自分はスマートフォン用の分解ツールセットを使った。ヘラ状のパーツがいろいろ入っていて、こういう作業にはちょうどいい。

▼ あると便利な工具

外装のビスをすべて外す

ラバーが外れたら、各部のビスを外していく。外すビスの位置は写真に図示しておくので参考にしてもらいたい。

ここで特に注意したい場所が三つある。

  • アイカップの下にある2本
  • バッテリーホルダーの奥にある1本
  • 底面を外したあとに出てくる1本

とくに最後の1本は、底面を外してはじめて姿を見せる。「全部外したはずなのに外れない」となったら、まずここを疑ってほしい。

▼ 必要な工具

外したビスは位置を記録しておく

ビスは、必ず位置を記録しながら外すこと。おすすめは、ビスの位置を図にした紙を用意して、外したビスをそこに両面テープで貼っていく方法だ。

なくさないための対策になるのはもちろん、組み立てるときに「どこにどのビスが入っていたか」がひと目で分かる。長さの違うビスが混ざるとかなり面倒なので、これはやっておいて損がない。

底面→上面→正面の順に外す

外し方には順番がある。まず底面を取り外す。次に上面だが、これは完全には外さず、浮かせる程度にとどめる。最後に正面のパーツを外す。

ここまで進めると、ソレノイドにアクセスできるようになる。

ソレノイドの固定ビスを外してU字金具を取り出す

ソレノイドは、1本のビスで固定されている。ただ、周りが狭くてドライバーが入りにくい。無理をするとネジ頭をナメてしまうので、慎重に回してほしい。

もう一つ気をつけたいのが配線だ。ソレノイドにはケーブルがつながっているので、うっかり切らないように扱う。

黒死病が出ている個体だと、U字金具が固着していることがある。そんなときも、無理な力はかけない。配線や周りの部品を傷めてしまったら、元も子もない。

U字金具をダイヤモンドヤスリで削る

いよいよ削り加工だ。使ったのはダイヤモンドヤスリ。100円ショップでも手に入るので、手軽に用意できる。

U字金具の先端を、十字に溝を作るように少しずつ削っていく。ポイントは、一気にやらないこと。「削る→組み込む→固着具合を確認」を、何度も繰り返す。

削り過ぎると、今度は調整不良につながる恐れがある。焦らず、ちょっと物足りないくらいで止めて確認するのがコツだと思う。

仮組み立てをして試写する

ある程度削ったら試写をしてみる。ソレノイドを組み直し、バッテリーを装填、レンズを装着して試写する。正面カバー無しでもレンズやバッテリーは装着可能だ。試写をして写真が正常露出になっているのを確認したら、本組み立てに移る。

組み立てる|基本は分解の逆手順

組み立ては、基本的に分解の逆の手順で進める。難しいところはあまりない。

ただし一つだけ、落とし穴がある。正面の外装を取り付けるときは、AFスイッチの位置に気をつけてほしい。スイッチの位置がズレたまま組み立てると、また全部ばらすはめになる。

実はこれ、自分がやらかした失敗だ。一度組み直すことになって、がっくりきた。同じ失敗をしないよう、ここはしっかり確認してから閉じてほしい。

ひとまず黒死病は直ったが安心はできない

U字金具の加工後、正常な露出で撮影できるようになった。これは間違いなく嬉しい結果だ。

ただ、今回の加工が長期的な再発防止になるのかは、まだ分からない。というのも、一番固着が強かったのは、最初にU字金具を外したときだったからだ。

つまり、削らなくても、固着を一度解除しただけで症状が改善した可能性がある。本来なら、加工前にいったん組み直してテストしておくべきだった。そうすれば、削り加工の効果をもう少しはっきり切り分けられたはずだ。ここは反省点だと思っている。

そういうわけで、今回の加工に再発を防ぐ効果があるのかどうかは、今後も経過観察していく。

最後にまとめ

PENTAX K-30の黒死病には、複数の修理方法がある。今回試した結果を、あらためて整理しておく。

  • 外側からの消磁は手軽だが、自分の個体では効果がなかった
  • ソレノイド交換は確実性が期待できる一方、正常な部品の入手が難しかった
  • ハンダ盛りは、量の調整が難しそうで見送った
  • 最終的に、U字金具をヤスリで削ることで症状が改善した

とはいえ、どの方法もカメラの分解や加工を伴う。繰り返しになるが、自己責任で慎重にやってほしい。

この先も使い続けながら、再発しないかどうかを確認していく。何か変化があれば、この記事に追記するつもりだ。同じ症状で困っている人の、参考になれば嬉しい。

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